2026年8月 みんなで幸せでい続ける経営研究会公開シンポジウム:真のウェルビーイング経営とは?

2026年8月の定例会は公開シンポジウムとして武蔵野大学有明キャンパスで開催しました。当日は、研究会に参加している企業の方々に加えて、多くの皆さまにご参加いただき、最後まで熱心に耳を傾け、対話に加わっていただきました。ご参加くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。皆さまの表情から、ウェルビーイング経営への関心が、ますます高まっている様子が伝わってきました。

まずは、みんなで幸せでい続ける経営研究会の共同代表(運営担当)の小西勝巳さん(株式会社ウエイクアップ取締役・CXO(チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー:かつみちゃん)から研究会についてご紹介。

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幸せ研では、毎月定例会を通じて、ウェルビーイングに関する最新の研究紹介や講演、会員企業同士の訪問、ワークショップ、対話などを行っています。

真のウェルビーイング経営とは!?

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前半は、前野隆司先生(武蔵野大学ウェルビーイング大学学部長・慶應義塾大学名誉教授)による基調講演「真のウェルビーイング経営とは!? 従業員と社会を幸せにする経営」から始まりました。講演では、真のウェルビーイング経営とは、一時的な施策を増やすことではなく、社員一人ひとりが自分らしく、いきいきと働ける環境をつくり、組織の文化そのものを変えていくことであるとお話しされています。

特に印象深かったのは、「ウェルビーイング経営への道に立ちはだかる~8つの関所~」のお話しです。

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「仕事はつらくて当たり前」
「幸せアレルギー」
「幸せは人によって違う」
「忙しくて取り組む余裕がない」
「何から始めたらいいのかわからない」
「職場では本音を言えない」
「経営トップが動かない」
「まずは今期の数字が優先」

どれも、企業の現場で耳にすることの多い言葉です。私たち自身もどこかで「そう簡単には変えられない」と考えてしまうことがあります。しかし、前野先生は、その壁の多くは、何かを始める前に、私たち自身がつくっている「思い込みの壁」なのかもしれないと指摘しています。また、ウェルビーイング経営というと、大がかりな制度改革や、経営理念の刷新が必要だと身構えてしまいますが、最初からすべてを大きく変えようとするのではなく、小さく始めることの大切さについて言及されていました。

まずは、挨拶をする。
感謝を言葉にする。
相手の話に、丁寧に耳を傾ける。
短い時間でも、本音を話せる場をつくる。

その小さな一歩が、組織の空気を少しずつ変えていくとのお話から、ウェルビーイング経営は、もっと身近なところから始められるのだと、改めて気づかされた方も多かったと思います。

会員企業メンバーによるウェルビーイング経営実践 公開Q&A

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続く公開Q&Aでは、研究会に参加する企業の皆さまから、ウェルビーイング経営を実践するなかで生まれた課題や迷いが、率直に語られました。

例えば,「経営層と現場の意識の違いを、どのように乗り越えるのか。」「一部の人だけの活動で終わらせず、組織全体へどのように広げていくのか。」「短期的な成果も求められるなかで、取り組みをどう継続するのか。」「多くの責任を抱える管理職に、対話のための時間的・心理的な余白をどうつくるのか。」など。実際に取り組んでいるからこそ生まれる、切実な問いです。

ウェルビーイング経営には、すべての企業に共通する一つの正解があるわけではありません。それぞれの企業が、自社の歴史や文化、働く人たちの思いと向き合いながら、自分たちなりの道を探していく必要があります。だからこそ、うまくいったことだけではなく、うまくいかなかったことや、まだ答えの出ていない問いを持ち寄ることに意味があります。

誰かの経験が、別の誰かの気づきになる。自社だけでは見つからなかった視点が、対話のなかから生まれる。企業の枠を越えて学び合う研究会の価値は、まさにそこにあるのだと感じました。

「みんなで幸せに働く」を考える

後半は、「はたらく幸せ×哲学対話」を取り入れた、研究会オリジナルの「幸せ対話」を行いました。

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私たちが囲んだのは、「みんなで幸せに働くとは、どういうことだろう」という問いです。幸せの感じ方は、人によって違います。だからこそ、誰かが考えた幸せの形を、全員に当てはめることはできません。一方で、「幸せは人それぞれだから」と、そこで対話を終わらせてしまえば、ともに幸せに働ける組織には近づけないようにも思います。違うからこそ、言葉にしてみる。違うからこそ、相手の声を聴いてみる。誰かの言葉に共感することもあれば、自分とは異なる考え方に気づくこともあります。すぐに答えが出なくても、互いの違いを否定せず、同じ問いを囲み続ける。その時間自体が、幸せに働ける組織をつくる、小さな実践なのかもしれません。

小さく始め、対話しながら、続けていく

「幸せでい続ける経営研究会」は、10年にわたり、企業や立場の違いを越えて、幸せに働き続けられる組織と社会のあり方を探究してきました。何かを始めることにも力が必要ですが、それを続けていくことには、また別の難しさがあります。それでも、この研究会が歩みを重ねてこられた背景には、参加する皆さまとの対話があり、信頼があり、ともに考え続ける関係がありました。研究会そのものが、「小さく始め、対話しながら、続けていく」というウェルビーイング経営のあり方を、10年かけて体現してきたのかもしれません。

今回のシンポジウムが、皆さまにとって「幸せに働くこと」を改めて考え、明日からの小さな一歩につなげる機会となっていれば幸いです。

執筆:研究チーム 齋藤みずほ

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